城下町エリア

岩国藩主吉川家墓所
墓所は、横山の通称寺谷地区に所在し、岩国に入府した岩国吉川家初代広家から、6代経永を除く12代経幹までの当主及びその一族の墓が51基あり、指定面積は9615㎡である。 墓所が形成されるのは寛永2年(1625)広家が没した年からであるが、墓所の中心を占める寺谷口御塔場は、2代広正が没した翌年寛文…
岩国藩主吉川家墓所
大内版 三重韻
岩国徴古館本「三重韻」は、内題に「聚分韻略」(しゅうぶんいんりゃく)とあり、巻末の跋文によれば天文8年(1539)3月、大内義隆の版行により、「周防大内版」として知られているものである。 「聚分韻略」は南北朝時代、五山の学僧虎関師錬が作詩用の辞書として漢字を平・上・去・入・の韻を以って分類し、…
大内版 三重韻
鉄錆󠄀地六十四間筋兜鉢
高さ13.4㎝、径は前後22.3㎝、左右20.7㎝で、錆漆を塗った64枚の台形の鉄板をはぎ合わせた部分が筋になっている兜鉢。眉庇(まびさし)は、当世眉庇と言われる戦国時代に流行したもので、中央には、三光鋲(眉庇を留める3つの鋲)の1つで、祓立(はらいたて)が固定されている。鉢裏正面の板に「宗家作」、…
鉄錆󠄀地六十四間筋兜鉢
鉄錆󠄀地十二間総覆輪筋兜鉢
高さ13.2㎝、径は、前後が22.9㎝で、左右が19.6㎝で、12枚の台形の鉄板に錆漆を塗り、はぎ合わせの部分を金属で覆って筋状にした阿古陀形(あこだなり)という形式をした楕円形の兜鉢。頭頂部の八幡座は、金メッキの魚子地(ななこじ=粟粒を並べたように細かい粒を突起させたもの)に、唐草彫りの円座に裏菊…
鉄錆󠄀地十二間総覆輪筋兜鉢
中津居館跡一括出土銭
中津居館跡の確認調査の際に出土した一括出土銭である。備前甕に入っていた状態で約50,000枚の銭が出土した。銭の出土量としては現在、県内第二位となる。 甕内に納められていた銭貨については、その多くを97枚でわら紐に通してまとめた緡銭(びんせん)をさらにまとめて、十貫文(銭10,000枚相当)や…
中津居館跡一括出土銭
永興寺庭園
永興寺庭園は、庫裡書院北庭の準平庭式枯山水庭園である。作庭に関する史料がなく明確に作庭時代を判定することはできないが、近世のものと考えられる。主庭は龍安寺式の枯山水庭園で、江戸時代前期頃の作庭とみられているが、後世の改修もみられる。 主庭園の原形は、茶室に付随した露地(茶庭)が主景で、そこへ枯…
永興寺庭園
錦帯橋架替図
江戸時代に作成された錦帯橋の図面である。図面は和紙を貼り継いで必要な大きさをとり、裏打をして補強した紙に箆(へら)で痕をつけ、墨を入れる方法で描かれている。紙面は小さく折り畳まれている。1橋1枚が原則であったと思われるので、架替えた橋の数だけ絵図も作られたと思われるが、残存絵図は反橋のみで13枚であ…
錦帯橋架替図
吉香神社棟札
吉香神社の棟札のうち、明治18年(1885)のもの2枚、大正2年(1913)のもの1枚ものである。吉香神社は、岩国藩主吉川氏歴代の神霊を祀っている神社で重要文化財に指定されている吉香神社の建物群や付(つけたり)の棟札とともに、吉香神社自身の歴史や建造物の修理の歴史を知る上で不可欠なものである。特に明…
吉香神社棟札
岩国練武場
陸軍元帥長谷川好道の邸宅跡に昭和2年(1926)に建てられた。寄棟造桟瓦葺、桁行24m梁間10m、妻入で正面中央に唐破風造の玄関を付す。外部は下見板張とし、内部は演技場の東面に師範台、南面に観覧席と支度室を下屋で設けている。
岩国練武場
岩国徴古館第二収蔵庫
この収蔵庫は吉川家の土蔵として明治24年(1891)に建設され、昭和26年(1951)に岩国徴古館とともに吉川報效会から岩国市に寄贈された。木造二階建、切妻造、桟瓦葺で、太い小屋梁など堅固な造りである。建築当初は、吉川家の美術品や資料を収めていたと思われる。石積み三段の背の高い基礎や広い戸前に外観上…
岩国徴古館第二収蔵庫
岩国徴古館第一収蔵庫
昭和19年(1944)、吉川家の別邸である仙鳥館から移築した土蔵である。木造二階建、切妻造、桟瓦葺で、外壁には漆喰壁上に焼杉板が張られており、石積み三段の背の高い基礎や、西側全面に差し掛けられた広い戸前に外観上の特色がある。高い基礎は錦川の氾濫や湿気に備えたもので、内部中央に設けられた幅の広い階段な…
岩国徴古館第一収蔵庫
旧宇野千代家住宅主屋
小説家宇野千代の生家で、建築時期は明治初期と言われ、木造二階建、平入、入母屋造、桟瓦葺、真壁造で、正面は真壁造であるものの、出格子、軒下の出し桁、猫足の腕木など岩国の町屋に共通した外観となっている。内部は土間の玄関に、時計の間、客間、仏間、鏡の間などと名付けられた和室が配置されている。 明治2…
旧宇野千代家住宅主屋
JR西岩国駅駅舎
昭和4年(1929)4月、岩徳線の一部開通にともない、岩国駅として開業した。昭和17年(1942)に麻里布駅を岩国駅と改称した際に、西岩国駅に改称した。 木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺、外壁モルタル仕上げで、正面入口上部に設けられた、アーチ窓と柱形(ピラスター)からなる表現派風の大きな切妻と、錦帯…
JR西岩国駅駅舎
旧吉川邸厩門
明治25年(1892)、旧岩国藩主吉川経健が建設した吉川邸の長屋門である。桁行30mと長大で、西を正面とし、石積基壇上に建つ。南寄りに門口を構え、外壁漆喰とし、要所に横連子窓を設けている。屋根は寄棟造、桟瓦葺きで、小屋組は一部に変形トラスを用いている。伝統的な形式を保ちながら洋風のデザインを取り入れ…
旧吉川邸厩門
國安家住宅
國安家住宅は、江戸時代より鬢付油(『梅が香』)を製造販売していた松金屋又三郎によって建てられたものである。客座敷床の間の座板裏面に「嘉永三年庚戌之初秋七月十一日、十世満喬代調之、三代目大工五兵衛作」の墨書銘があり、この頃の建築と伝えられているが、それ以前に遡る可能性もある。建築後、幾度か改造されてい…
國安家住宅
旧岩国税務署
明治18年(1885)、租税検査員派出所として発足した岩国税務署の新庁舎として、横山地区から現地に移築された、木造モルタル塗り総2階建ての庁舎建築。 中央正面に玄関を配置、玄関を中心に左右対称とし、両翼部を薄く張り出して切妻屋根をのせるルネサンス様式的な建築構成が特徴的である。 関東大震…
旧岩国税務署
錦雲閣
明治18年9月9日、旧岩国藩主吉川家歴代の神霊を祭る吉香神社の絵馬堂として建築されたもので、桁行5間、梁間3間の入母屋造の楼閣風建築である。同地には元々、3階建ての南矢倉が建っていた。 階下の外観は外周腰部までを板壁、中間部を吹き放し、上部は漆喰壁仕上げとし、階上は四囲に高欄付きの縁側を巡らせ…
錦雲閣
岩国徴古館
旧岩国藩主吉川家が寄附した美術工芸品や歴史資料を展示・保管するため、財団法人吉川報效会により建設され、昭和20年3月に竣工した。設計は早稲田大学教授で岩国中学校出身の佐藤武夫が実施した。 煉瓦造2階建で、ドイツ古典主義の影響がみられる意匠は、低く抑えた外観、正面の角柱の列柱、内部の裾広がりの柱…
岩国徴古館
錦帯橋
古い歴史と美しい環境、珍しい形状と巧みな構造をもつのが錦帯橋の特色である。 背後に連なる城山の緑、その下を流れる錦川の清流、山紫水明の景色が橋と調和して美しい。橋の上下流各60間(108m)の地点から上流350間(637m)下流230間(418m)以内の堤塘敷及び河川敷が名勝錦帯橋として指定されて…
錦帯橋
元亨釈書 吉川経基筆十五冊
元亨釈書は、わが国に仏教が伝来して以来鎌倉時代末元亨年間(1321~1324)に至るまでの高僧の事蹟、仏教の史実を記し、かつ概評を下したもので東福寺の僧虎関師錬の著。後醍醐天皇の元亨2年(1322)に完成したので元亨釈書という。 本書は、吉川経基が至徳元年(1384)の重刊本から転写したものを…
元亨釈書 吉川経基筆十五冊
太平記 吉川元春筆四十冊 付 太平記目録
太平記は南北朝時代の争乱のいきさつを記した軍記物語である。文章は漢文調を交えて豪壮絢爛、文学作品として法師などにより講釈もせられたが、史書としても相当の価値を有し、また兵書として戦国時代の武人の間でひろく愛読されたものである。 本書は世にいう吉川太平記と呼ばれるものである。太平記が現在流布され…
太平記 吉川元春筆四十冊 付 太平記目録
紙本墨書細字法華経八巻 付 仁和寺任助法親王御譲状一通
法華経8巻を細字で1巻に書写したもの。白麻紙に金泥で罫線を引き、各行17字ずつ2段に墨書してある。本文の筆者は弘法大師と伝えられているが、確証があるわけではなく、平安初期の写経師の筆によるものと推測される。中国の唐代(618~907)の細字経は御物の他にも見受けられるが、平安初期に作成された細字経は…
紙本墨書細字法華経八巻 付 仁和寺任助法親王御譲状一通
紙本墨書吾妻鏡四十七冊並びに年譜一冊
吾妻鏡は、治承4年(1180)から文治3年(1266)に至る87年間の鎌倉幕府の記録で、曲筆の個所もないではないが、当時の事情がある程度詳細に記述されており、鎌倉時代研究の根本史料である。 袋綴の冊子本で、本文を47冊に収め、これに年譜1冊を加えて48冊としている。本文の末尾に大永2年(152…
紙本墨書吾妻鏡四十七冊並びに年譜一冊
山道草花鶴亀文繍箔胴服
安土桃山時代中期の天正15年(1587)九州征伐出陣の功により豊臣秀吉から吉川広家が拝領したものと伝えられている。 身幅が広く、広袖であるが振りはない。垂領で後は背割になっている。山道文を全面にして雪持芦、同笹、松樹、桐紋、鶴亀文の刺繍がなされ、さらに金摺箔が施されている。 その意匠技法…
山道草花鶴亀文繍箔胴服
吉香神社本殿・拝殿及び弊殿・神門・鳥居 付 棟札
吉香神社は、旧藩主吉川氏歴代を祀る神社で、元は横山の白山神社境内にあったものを明治18年(1885)に現在地である御土居跡に遷座している。指定されている建物は、享保13年(1728)に造営された神門、拝殿及び弊殿、本殿、鳥居の三棟、一基である。 神門は、左右に脇門付袖塀をもつ小型の四脚門で、冠…
吉香神社本殿・拝殿及び弊殿・神門・鳥居 付 棟札
旧目加田家住宅
旧目加田家住宅は、18世紀後半頃の建築とみられる中流武家の住宅である。木造一部二階建て、屋根は入母屋造りである。 旧目加田家住宅の内部には様々な部屋があり、江戸時代岩国の武家住居の様相を残している。正面玄関は住宅の南側にあって、手前に板敷の式台が設けられている。武家住宅では居住者より身分の高い…
旧目加田家住宅
小桜韋威胴丸 兜・大袖・替袖・頬当・喉輪・臑当付
織田信長の所用と伝えられる胴丸である。胴の高さ36.5㎝、胴廻り114.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ25.5㎝の軽装の鎧である。小札(こざね)は、黒漆を盛り上げて塗った本小札で、小桜模様の染め革を使って毛を返したように威し(小札を横長に綴ったものを上下につな…
小桜韋威胴丸 兜・大袖・替袖・頬当・喉輪・臑当付
色々威胴丸 広袖付
安芸国(現在の広島県)銀山城主(かなやまじょうしゅ)・武田光和(たけだみつかず)が所用したと伝えられる胴丸。胴の高さ31.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ23.1㎝、胴廻り(脇板)119.7㎝の活動しやすい軽装の鎧で、小札は、黒漆を盛り上げて塗った本小札を白・紅…
色々威胴丸 広袖付
藍韋威肩白紅胴丸
胴の高さ32.3㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ20.3㎝、胴廻り(脇板)106.5㎝の室町時代に作られた胴丸(軽装の歩兵用の鎧)。小札(こざね)は黒漆塗りの本小札で、白・紅の色糸や藍染めの革を使って毛を伏せたように威し(小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと)…
藍韋威肩白紅胴丸
鉄錆󠄀塗二十八間総覆輪筋兜鉢
現在は錆漆塗りとなっているが、本来は32枚を張り合わせた黒漆塗りの筋兜鉢(はぎ合わせの部分を金属で覆い、筋状にしている)である。 高さ12.2㎝、鉢の径は、前後23.2㎝、左右20.6㎝で、篠垂(しのだれ)という細い金メッキの筋金が前に3条と後ろに2条据えられ、頭頂部の八幡座は金メッキの魚子地(な…
鉄錆󠄀塗二十八間総覆輪筋兜鉢
鉄錆󠄀地三十六間星兜鉢
表面が酸化して錆びている鉄の板を、鋲ではぎ合わせて作った兜鉢。 全体の形は、前後左右の径がほぼ等しい大円山形(だいえんざんなり)で、高さ10.8㎝、鉢の径は前後が22.6㎝、左右が20.0㎝となっている。星は、1行に16点と腰巻に1点ずつ打たれ、42枚が張られ、前正面ではぎ合わされている。 頭頂…
鉄錆󠄀地三十六間星兜鉢
黒漆矢筈札浅葱糸素懸威腹当
胴の高さ25.8㎝、胴廻り69.2㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ12.7㎝の腹巻よりも簡略化された下級士卒用の防具。 小札(こざね)は、黒漆塗りの革で包まれた矢筈札(やはずざね=弓の弦をうける矢の上端の形をした札)で、浅黄色の糸で威し(小札を横長に綴ったものを…
黒漆矢筈札浅葱糸素懸威腹当
金銅如来形坐像
この金銅如来形坐像は、その伝来について不明なところもあるが、日本に伝存する高麗時代の仏像として優れた作柄を示す作品である。 この像は、右手を胸前にあげ、左手を左膝上に差し伸べ、ともに第1指と第3指を捻じ、右脚を上に結跏趺坐(けっかふざ)する。肉髻部と地髪部を明確に区別せずにゆるやかに盛り上げた…
金銅如来形坐像
藍韋威肩櫨紅腹巻
胴の高さ31.0㎝、胴廻り92.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ26.4㎝の、室町時代末期に作られた鎧腹巻。 小札(こざね)は、左右の両端を少しずつ重ねたまま綴り延べた伊予札と本小札で、櫨(はぜ)・紅糸・藍染め革を使って威し(小札を横長に綴ったものを上下につな…
藍韋威肩櫨紅腹巻
紺糸威肩紅腹巻 付 大袖
胴の高さ28.2㎝、胴廻り100.2㎝、草摺(くさずり=胴の下に下がっていて、足の太股を守る部分)の高さ30.0㎝の鎧腹巻。 小札(こざね)は、黒漆を盛り上げて塗った本小札で、紅・紺の色糸を使って、毛を返したように威し(小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと)ている。 腹巻はもともと装束の下に…
紺糸威肩紅腹巻 付 大袖
紙本墨画淡彩湖亭春望図
図の上部には「湖亭春望」と題された七言律詩が書かれており、「天與老雪」の名と「清啓」の朱文方印があるので、賛者は天與清啓(てんよせいけい)であることがわかる。関防印は「暁遠夜鶴」である。 湖亭春望図には印章、落款ともないが、雪舟筆の伝えがあり、天與清啓の賛がある。 賛を賦した天與清啓は、…
紙本墨画淡彩湖亭春望図
岩国学校校舎
岩国学校は、明治3年(1870)岩国藩主が藩中の青少年を教育するため学制の大改革を行い、旧兵学校と文学校を公中学・公小学に組織を改めて現在地の近くに新築、翌4年2月に開校したものである。校舎は上層を教員詰所、下層を教室にした二階建てであったが、学制発布の明治5年に三階を増築した。 当初の部分は…
岩国学校校舎
香川家長屋門
岩国市横山二丁目に所在する岩国藩家老香川家の表門である。17世紀末、元禄年間の当主、香川正恒(かがわまさつね)のとき、大工大屋某によって建てられたものと伝える。 桁行23.29m、梁間4.85mで、屋根は入母屋造りで本瓦葺きである。正面に向かって左寄りに出入り口があり、大小の扉をしつらえている…
香川家長屋門
吉川家文書(明治追加)32巻 付 明治追加目録1刷
紙本墨書で巻子装となっており、31巻と番外1巻の中に504点の文書が収録されている。31巻は編纂する過程で分類毎に整理されており、明治追加目録によると第一~第三が「勅諚及び叡旨」、第四が「幕府告達」、第五が「忠正忠愛二公(毛利敬親、毛利元徳)手書」、第六、第七が「長徳清(長府、徳山、清末)三公手翰」…
吉川家文書(明治追加)32巻 付 明治追加目録1刷
錦川下流域における錦帯橋と岩国城下町の文化的景観
本文化的景観は、江戸時代の岩国城下町に由来するもので、錦川、城山、横山地区、岩国山、岩国地区から構成される。 岩国城下町は、藩主居館や諸役所、重臣の屋敷等が置かれる横山地区と、中下級の家臣屋敷や町人町等が置かれる岩国地区からなり、両地区を錦川が大きく隔てる。 これらの城下町には、護岸や水路、…
錦川下流域における錦帯橋と岩国城下町の文化的景観
旧吉川家岩国事務所
事務所、倉庫、便所の3棟からなる。事務所は、木造、寄棟造、2階建、桟瓦葺、床面積234.28㎡。倉庫は、木造、切妻造、2階建、桟瓦葺、床面積79.52㎡。便所は、木造、切妻造、平屋建、桟瓦葺、床面積14.30㎡(渡り廊下を含める)。 この建物は、昭和6年(1931)、吉川家岩国事務所として建設…
旧吉川家岩国事務所
色々威腹巻 付 負櫃
岩国六代藩主吉川経永(きっかわつねなが)が岩国明珍家の祖である甲冑師明珍又ヱ門宗性に命じて、寛保2年(1740)に製作させた、華美で豪華な甲冑である。 金属類には、繊細で見事な彫刻(浮彫・透彫・毛彫・魚々子)が多く用いられている。この他、漆、糸の染色、布帛といった素材についても上品なものである…
色々威腹巻 付 負櫃
鉄錆地百廿間筋兜鉢 銘 明珍宗家作
兜は、鉢高13.8㎝、前後径22.7㎝、左右径19㎝で、枚張は118枚である。 この筋兜は、薄い鉄板を縦に矧合せ、筋と筋との間の数が120間あって鉄鋲で平留にして形成している。表面は、錆地で腰巻を周らせた鉢で、眉庇や𩊱(しころ)など付属品はない。裏には、「明珍宗家作」と刻銘がある。作者である明…
鉄錆地百廿間筋兜鉢 銘 明珍宗家作
桐・九曜紋蒔絵挾箱 付 目録
大きさは横幅58.1㎝、奥行39.8㎝、高さは箱38.8㎝、蓋7.8㎝である。 挾箱は外出に際し、具足や着替用の衣服などを中に入れ、棒を通して従者にかつがせた箱で、江戸時代には定紋をつけて武家の格式を示した。 造りは印籠造りで、身に比べて蓋が浅く、垂直、水平線の組み合わせにより構成されて…
桐・九曜紋蒔絵挾箱 付 目録
紺糸素懸威黒板札菱縫二枚胴具足
江戸時代後期の作で製作者は岩国藩の甲冑師春田家第4代の春田正栄である。特色として、眉庇(まびさし)が微塵青貝に赫銅覆輪の出眉庇であること、前立が鍍金の鍬形及び丸ニ酢漿紋となっていること、吹返し、胴の胸板、胴のうしろの押付板にも丸ニ酢漿紋をつけていること、立挙、衡胴とも上重ねになっていることが看取でき…
紺糸素懸威黒板札菱縫二枚胴具足
黒韋肩白紅威大袖
この大袖は、射向(いむけ)(左手)側の大袖だけで、馬手(めて)(右手)はない。上下の幅は39㎝と35㎝で、南北朝時代の作である。作りは黒漆塗の革小札と鉄小札を一枚ずつ交互に交えて、赤、白の糸を用いて段々に威(おど)している。 中世の甲冑に付属した大袖は南北朝時代から室町時代にかけて盛んに用いら…
黒韋肩白紅威大袖
鷺神社神楽面
翁(おきな)面、抵牾(もどき)面、鬼(おに)面、姫(ひめ)面の四面で、いずれも鷺神社に江戸時代末期ごろ奉寄進された神楽面である。 作者は、岩国藩の作事組に属する工人で、出目上満(でめじょうまん 本名は福屋弥惣左衛門)といわれ、寛政12年(1800)の作が三面、弘化2年(1845)の作一面と伝え…
鷺神社神楽面
武田軍陣立図屏風
紙本着色の合戦図。八曲半双(右隻)の屏風で縦171.2㎝、横(全長)568.5㎝。 軍学書『甲陽軍鑑』に基づいて、永禄4年(1561)に行われた川中島の合戦の様子を描いた八曲一双のうち、右隻部分の屏風である。17世紀代の作品としては岩国本と紀州本(和歌山県立博物館蔵)の2例のみで、歴史的にも美…
武田軍陣立図屏風
川中島合戦図屏風
紙本着色の合戦図。八曲半双(左隻)の屏風で縦172.2㎝、横(全長)563.9㎝。 軍学書『甲陽軍鑑』に基づいて、永禄4年(1561)に行われた川中島の合戦の様子を描いた八曲一双のうち、左隻部分の屏風である。17世紀代の作品としては岩国本と紀州本(和歌山県立博物館蔵)の2例のみで、歴史的にも美術的…
川中島合戦図屏風
仙鳥館
仙鳥館(仙鳥御屋形)は、元禄11年(1698)、岩国藩5代藩主吉川広逵(きっかわひろみち)の住居として建設された。同年11月20日、2歳の広逵は母と共に完成した屋形に移居している。 以後、主として、藩主吉川家の子女を養育するとともに、その母親(夫人)が共に生活する建物として利用された。明和5年…
仙鳥館
昌明館付属屋及び門
昌明館は寛政5年(1793)に七代藩主吉川経倫(きっかわつねとも)の隠居所として建造され、経倫の死後は八代藩主経忠(つねただ)の夫人喬松院(きょうしょういん 柏原藩主織田信憑の次女悌 てい)が居住した。 明治に入ると一時、岩国県庁が置かれた。その後、吉川家の家職を司る用達所が設けられ、近代吉川…
昌明館付属屋及び門
色々威腹巻
胴の高さ27.8㎝、胴廻り91.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の長さ24.5㎝の大きさである。小札(こざね 甲冑の部位をつくる短冊状の板)は黒漆塗の革小札と鉄小札を一枚ずつ交互に交えて、赤、白、紫の三色を用いて段々に威している。威す(おどす)とは小札の穴に糸を通すこ…
色々威腹巻
太刀 銘 為次(狐ヶ崎)付 黒漆太刀拵
身の長さ78.5cm、反り3.4cmの太刀である。刀身の地肌は小板目肌で、刃文は小乱に足・葉入りの一見、古備前風の太刀であるが、鎌倉初期の備中青江の作である。とくに、この太刀が国宝に指定された理由は、刀身が少しも磨滅せず、打ちおろしのように平肉豊かで、しかも、当初の革着せ黒漆太刀拵が付属していること…
太刀 銘 為次(狐ヶ崎)付 黒漆太刀拵

岩国藩主吉川家墓所

指定区分/種別
史跡(県指定文化財)
所有者等
岩国市
墓所は、横山の通称寺谷地区に所在し、岩国に入府した岩国吉川家初代広家から、6代経永を除く12代経幹までの当主及びその一族の墓が51基あり、指定面積は9615㎡である。 墓所が形成されるのは寛永2年(1625)広家が没した年からであるが、墓所の中心を占める寺谷口御塔場は、2代広正が没した翌年寛文…
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大内版 三重韻

指定区分/種別
典籍(県指定有形文化財)
所有者等
岩国市
岩国徴古館本「三重韻」は、内題に「聚分韻略」(しゅうぶんいんりゃく)とあり、巻末の跋文によれば天文8年(1539)3月、大内義隆の版行により、「周防大内版」として知られているものである。 「聚分韻略」は南北朝時代、五山の学僧虎関師錬が作詩用の辞書として漢字を平・上・去・入・の韻を以って分類し、…
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鉄錆󠄀地六十四間筋兜鉢

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
高さ13.4㎝、径は前後22.3㎝、左右20.7㎝で、錆漆を塗った64枚の台形の鉄板をはぎ合わせた部分が筋になっている兜鉢。眉庇(まびさし)は、当世眉庇と言われる戦国時代に流行したもので、中央には、三光鋲(眉庇を留める3つの鋲)の1つで、祓立(はらいたて)が固定されている。鉢裏正面の板に「宗家作」、…
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鉄錆󠄀地十二間総覆輪筋兜鉢

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
高さ13.2㎝、径は、前後が22.9㎝で、左右が19.6㎝で、12枚の台形の鉄板に錆漆を塗り、はぎ合わせの部分を金属で覆って筋状にした阿古陀形(あこだなり)という形式をした楕円形の兜鉢。頭頂部の八幡座は、金メッキの魚子地(ななこじ=粟粒を並べたように細かい粒を突起させたもの)に、唐草彫りの円座に裏菊…
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中津居館跡一括出土銭

指定区分/種別
有形文化財・考古資料(市指定有形文化財)
所有者等
岩国市
中津居館跡の確認調査の際に出土した一括出土銭である。備前甕に入っていた状態で約50,000枚の銭が出土した。銭の出土量としては現在、県内第二位となる。 甕内に納められていた銭貨については、その多くを97枚でわら紐に通してまとめた緡銭(びんせん)をさらにまとめて、十貫文(銭10,000枚相当)や…
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永興寺庭園

指定区分/種別
名勝(市指定文化財)
所有者等
宗教法人 永興寺 
永興寺庭園は、庫裡書院北庭の準平庭式枯山水庭園である。作庭に関する史料がなく明確に作庭時代を判定することはできないが、近世のものと考えられる。主庭は龍安寺式の枯山水庭園で、江戸時代前期頃の作庭とみられているが、後世の改修もみられる。 主庭園の原形は、茶室に付随した露地(茶庭)が主景で、そこへ枯…
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錦帯橋架替図

指定区分/種別
歴史資料(市指定有形文化財)
所有者等
岩国市
江戸時代に作成された錦帯橋の図面である。図面は和紙を貼り継いで必要な大きさをとり、裏打をして補強した紙に箆(へら)で痕をつけ、墨を入れる方法で描かれている。紙面は小さく折り畳まれている。1橋1枚が原則であったと思われるので、架替えた橋の数だけ絵図も作られたと思われるが、残存絵図は反橋のみで13枚であ…
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吉香神社棟札

指定区分/種別
歴史資料(市指定有形文化財)
所有者等
宗教法人 吉香神社
吉香神社の棟札のうち、明治18年(1885)のもの2枚、大正2年(1913)のもの1枚ものである。吉香神社は、岩国藩主吉川氏歴代の神霊を祀っている神社で重要文化財に指定されている吉香神社の建物群や付(つけたり)の棟札とともに、吉香神社自身の歴史や建造物の修理の歴史を知る上で不可欠なものである。特に明…
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岩国練武場

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
陸軍元帥長谷川好道の邸宅跡に昭和2年(1926)に建てられた。寄棟造桟瓦葺、桁行24m梁間10m、妻入で正面中央に唐破風造の玄関を付す。外部は下見板張とし、内部は演技場の東面に師範台、南面に観覧席と支度室を下屋で設けている。
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岩国徴古館第二収蔵庫

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
この収蔵庫は吉川家の土蔵として明治24年(1891)に建設され、昭和26年(1951)に岩国徴古館とともに吉川報效会から岩国市に寄贈された。木造二階建、切妻造、桟瓦葺で、太い小屋梁など堅固な造りである。建築当初は、吉川家の美術品や資料を収めていたと思われる。石積み三段の背の高い基礎や広い戸前に外観上…
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岩国徴古館第一収蔵庫

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
昭和19年(1944)、吉川家の別邸である仙鳥館から移築した土蔵である。木造二階建、切妻造、桟瓦葺で、外壁には漆喰壁上に焼杉板が張られており、石積み三段の背の高い基礎や、西側全面に差し掛けられた広い戸前に外観上の特色がある。高い基礎は錦川の氾濫や湿気に備えたもので、内部中央に設けられた幅の広い階段な…
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旧宇野千代家住宅主屋

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
小説家宇野千代の生家で、建築時期は明治初期と言われ、木造二階建、平入、入母屋造、桟瓦葺、真壁造で、正面は真壁造であるものの、出格子、軒下の出し桁、猫足の腕木など岩国の町屋に共通した外観となっている。内部は土間の玄関に、時計の間、客間、仏間、鏡の間などと名付けられた和室が配置されている。 明治2…
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JR西岩国駅駅舎

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
昭和4年(1929)4月、岩徳線の一部開通にともない、岩国駅として開業した。昭和17年(1942)に麻里布駅を岩国駅と改称した際に、西岩国駅に改称した。 木造平屋建、寄棟造、桟瓦葺、外壁モルタル仕上げで、正面入口上部に設けられた、アーチ窓と柱形(ピラスター)からなる表現派風の大きな切妻と、錦帯…
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旧吉川邸厩門

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
明治25年(1892)、旧岩国藩主吉川経健が建設した吉川邸の長屋門である。桁行30mと長大で、西を正面とし、石積基壇上に建つ。南寄りに門口を構え、外壁漆喰とし、要所に横連子窓を設けている。屋根は寄棟造、桟瓦葺きで、小屋組は一部に変形トラスを用いている。伝統的な形式を保ちながら洋風のデザインを取り入れ…
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國安家住宅

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
國安家住宅は、江戸時代より鬢付油(『梅が香』)を製造販売していた松金屋又三郎によって建てられたものである。客座敷床の間の座板裏面に「嘉永三年庚戌之初秋七月十一日、十世満喬代調之、三代目大工五兵衛作」の墨書銘があり、この頃の建築と伝えられているが、それ以前に遡る可能性もある。建築後、幾度か改造されてい…
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旧岩国税務署

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
㈱藤本酒造
明治18年(1885)、租税検査員派出所として発足した岩国税務署の新庁舎として、横山地区から現地に移築された、木造モルタル塗り総2階建ての庁舎建築。 中央正面に玄関を配置、玄関を中心に左右対称とし、両翼部を薄く張り出して切妻屋根をのせるルネサンス様式的な建築構成が特徴的である。 関東大震…
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錦雲閣

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
明治18年9月9日、旧岩国藩主吉川家歴代の神霊を祭る吉香神社の絵馬堂として建築されたもので、桁行5間、梁間3間の入母屋造の楼閣風建築である。同地には元々、3階建ての南矢倉が建っていた。 階下の外観は外周腰部までを板壁、中間部を吹き放し、上部は漆喰壁仕上げとし、階上は四囲に高欄付きの縁側を巡らせ…
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岩国徴古館

指定区分/種別
国登録文化財
所有者等
岩国市
旧岩国藩主吉川家が寄附した美術工芸品や歴史資料を展示・保管するため、財団法人吉川報效会により建設され、昭和20年3月に竣工した。設計は早稲田大学教授で岩国中学校出身の佐藤武夫が実施した。 煉瓦造2階建で、ドイツ古典主義の影響がみられる意匠は、低く抑えた外観、正面の角柱の列柱、内部の裾広がりの柱…
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錦帯橋

指定区分/種別
名勝(国指定)
所有者等
岩国市
古い歴史と美しい環境、珍しい形状と巧みな構造をもつのが錦帯橋の特色である。 背後に連なる城山の緑、その下を流れる錦川の清流、山紫水明の景色が橋と調和して美しい。橋の上下流各60間(108m)の地点から上流350間(637m)下流230間(418m)以内の堤塘敷及び河川敷が名勝錦帯橋として指定されて…
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元亨釈書 吉川経基筆十五冊

指定区分/種別
書跡(国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
元亨釈書は、わが国に仏教が伝来して以来鎌倉時代末元亨年間(1321~1324)に至るまでの高僧の事蹟、仏教の史実を記し、かつ概評を下したもので東福寺の僧虎関師錬の著。後醍醐天皇の元亨2年(1322)に完成したので元亨釈書という。 本書は、吉川経基が至徳元年(1384)の重刊本から転写したものを…
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太平記 吉川元春筆四十冊 付 太平記目録

指定区分/種別
書跡(国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
太平記は南北朝時代の争乱のいきさつを記した軍記物語である。文章は漢文調を交えて豪壮絢爛、文学作品として法師などにより講釈もせられたが、史書としても相当の価値を有し、また兵書として戦国時代の武人の間でひろく愛読されたものである。 本書は世にいう吉川太平記と呼ばれるものである。太平記が現在流布され…
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紙本墨書細字法華経八巻 付 仁和寺任助法親王御譲状一通

指定区分/種別
書跡 (国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
法華経8巻を細字で1巻に書写したもの。白麻紙に金泥で罫線を引き、各行17字ずつ2段に墨書してある。本文の筆者は弘法大師と伝えられているが、確証があるわけではなく、平安初期の写経師の筆によるものと推測される。中国の唐代(618~907)の細字経は御物の他にも見受けられるが、平安初期に作成された細字経は…
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紙本墨書吾妻鏡四十七冊並びに年譜一冊

指定区分/種別
書跡 (国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
吾妻鏡は、治承4年(1180)から文治3年(1266)に至る87年間の鎌倉幕府の記録で、曲筆の個所もないではないが、当時の事情がある程度詳細に記述されており、鎌倉時代研究の根本史料である。 袋綴の冊子本で、本文を47冊に収め、これに年譜1冊を加えて48冊としている。本文の末尾に大永2年(152…
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山道草花鶴亀文繍箔胴服

指定区分/種別
工芸品 (国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
安土桃山時代中期の天正15年(1587)九州征伐出陣の功により豊臣秀吉から吉川広家が拝領したものと伝えられている。 身幅が広く、広袖であるが振りはない。垂領で後は背割になっている。山道文を全面にして雪持芦、同笹、松樹、桐紋、鶴亀文の刺繍がなされ、さらに金摺箔が施されている。 その意匠技法…
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吉香神社本殿・拝殿及び弊殿・神門・鳥居 付 棟札

指定区分/種別
建造物(国指定重要文化財)
所有者等
宗教法人 吉香神社
吉香神社は、旧藩主吉川氏歴代を祀る神社で、元は横山の白山神社境内にあったものを明治18年(1885)に現在地である御土居跡に遷座している。指定されている建物は、享保13年(1728)に造営された神門、拝殿及び弊殿、本殿、鳥居の三棟、一基である。 神門は、左右に脇門付袖塀をもつ小型の四脚門で、冠…
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旧目加田家住宅

指定区分/種別
建造物(重要文化財)
所有者等
岩国市
旧目加田家住宅は、18世紀後半頃の建築とみられる中流武家の住宅である。木造一部二階建て、屋根は入母屋造りである。 旧目加田家住宅の内部には様々な部屋があり、江戸時代岩国の武家住居の様相を残している。正面玄関は住宅の南側にあって、手前に板敷の式台が設けられている。武家住宅では居住者より身分の高い…
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小桜韋威胴丸 兜・大袖・替袖・頬当・喉輪・臑当付

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
織田信長の所用と伝えられる胴丸である。胴の高さ36.5㎝、胴廻り114.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ25.5㎝の軽装の鎧である。小札(こざね)は、黒漆を盛り上げて塗った本小札で、小桜模様の染め革を使って毛を返したように威し(小札を横長に綴ったものを上下につな…
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色々威胴丸 広袖付

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
安芸国(現在の広島県)銀山城主(かなやまじょうしゅ)・武田光和(たけだみつかず)が所用したと伝えられる胴丸。胴の高さ31.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ23.1㎝、胴廻り(脇板)119.7㎝の活動しやすい軽装の鎧で、小札は、黒漆を盛り上げて塗った本小札を白・紅…
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藍韋威肩白紅胴丸

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
胴の高さ32.3㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ20.3㎝、胴廻り(脇板)106.5㎝の室町時代に作られた胴丸(軽装の歩兵用の鎧)。小札(こざね)は黒漆塗りの本小札で、白・紅の色糸や藍染めの革を使って毛を伏せたように威し(小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと)…
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鉄錆󠄀塗二十八間総覆輪筋兜鉢

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
現在は錆漆塗りとなっているが、本来は32枚を張り合わせた黒漆塗りの筋兜鉢(はぎ合わせの部分を金属で覆い、筋状にしている)である。 高さ12.2㎝、鉢の径は、前後23.2㎝、左右20.6㎝で、篠垂(しのだれ)という細い金メッキの筋金が前に3条と後ろに2条据えられ、頭頂部の八幡座は金メッキの魚子地(な…
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鉄錆󠄀地三十六間星兜鉢

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
表面が酸化して錆びている鉄の板を、鋲ではぎ合わせて作った兜鉢。 全体の形は、前後左右の径がほぼ等しい大円山形(だいえんざんなり)で、高さ10.8㎝、鉢の径は前後が22.6㎝、左右が20.0㎝となっている。星は、1行に16点と腰巻に1点ずつ打たれ、42枚が張られ、前正面ではぎ合わされている。 頭頂…
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黒漆矢筈札浅葱糸素懸威腹当

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
胴の高さ25.8㎝、胴廻り69.2㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ12.7㎝の腹巻よりも簡略化された下級士卒用の防具。 小札(こざね)は、黒漆塗りの革で包まれた矢筈札(やはずざね=弓の弦をうける矢の上端の形をした札)で、浅黄色の糸で威し(小札を横長に綴ったものを…
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金銅如来形坐像

指定区分/種別
彫刻(県指定有形文化財)
所有者等
宗教法人 洞泉寺
この金銅如来形坐像は、その伝来について不明なところもあるが、日本に伝存する高麗時代の仏像として優れた作柄を示す作品である。 この像は、右手を胸前にあげ、左手を左膝上に差し伸べ、ともに第1指と第3指を捻じ、右脚を上に結跏趺坐(けっかふざ)する。肉髻部と地髪部を明確に区別せずにゆるやかに盛り上げた…
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藍韋威肩櫨紅腹巻

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
胴の高さ31.0㎝、胴廻り92.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の高さ26.4㎝の、室町時代末期に作られた鎧腹巻。 小札(こざね)は、左右の両端を少しずつ重ねたまま綴り延べた伊予札と本小札で、櫨(はぜ)・紅糸・藍染め革を使って威し(小札を横長に綴ったものを上下につな…
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紺糸威肩紅腹巻 付 大袖

指定区分/種別
工芸品(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
胴の高さ28.2㎝、胴廻り100.2㎝、草摺(くさずり=胴の下に下がっていて、足の太股を守る部分)の高さ30.0㎝の鎧腹巻。 小札(こざね)は、黒漆を盛り上げて塗った本小札で、紅・紺の色糸を使って、毛を返したように威し(小札を横長に綴ったものを上下につなぐこと)ている。 腹巻はもともと装束の下に…
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紙本墨画淡彩湖亭春望図

指定区分/種別
絵画(県指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
図の上部には「湖亭春望」と題された七言律詩が書かれており、「天與老雪」の名と「清啓」の朱文方印があるので、賛者は天與清啓(てんよせいけい)であることがわかる。関防印は「暁遠夜鶴」である。 湖亭春望図には印章、落款ともないが、雪舟筆の伝えがあり、天與清啓の賛がある。 賛を賦した天與清啓は、…
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岩国学校校舎

指定区分/種別
建造物(県指定有形文化財)
所有者等
岩国市
岩国学校は、明治3年(1870)岩国藩主が藩中の青少年を教育するため学制の大改革を行い、旧兵学校と文学校を公中学・公小学に組織を改めて現在地の近くに新築、翌4年2月に開校したものである。校舎は上層を教員詰所、下層を教室にした二階建てであったが、学制発布の明治5年に三階を増築した。 当初の部分は…
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香川家長屋門

指定区分/種別
建造物(県指定有形文化財)
所有者等
岩国市
岩国市横山二丁目に所在する岩国藩家老香川家の表門である。17世紀末、元禄年間の当主、香川正恒(かがわまさつね)のとき、大工大屋某によって建てられたものと伝える。 桁行23.29m、梁間4.85mで、屋根は入母屋造りで本瓦葺きである。正面に向かって左寄りに出入り口があり、大小の扉をしつらえている…
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吉川家文書(明治追加)32巻 付 明治追加目録1刷

指定区分/種別
古文書(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
紙本墨書で巻子装となっており、31巻と番外1巻の中に504点の文書が収録されている。31巻は編纂する過程で分類毎に整理されており、明治追加目録によると第一~第三が「勅諚及び叡旨」、第四が「幕府告達」、第五が「忠正忠愛二公(毛利敬親、毛利元徳)手書」、第六、第七が「長徳清(長府、徳山、清末)三公手翰」…
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織田信長天正茶会記

指定区分/種別
書跡(市指定有形文化財)
所有者等
個人
桃山時代の天正元年(1573)、同2年の京都において、織田信長が催した三回の茶会の記録であり、寛永年間(1624~44)に津田江月(津田宗及の子)から岩国藩の家老香川春継の子(家景か)に贈られたと伝えられている。縦24.5㎝、横239.0㎝の巻物となっている。 筆者は津田宗及と伝えられており、…
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錦川下流域における錦帯橋と岩国城下町の文化的景観

指定区分/種別
重要文化的景観(国選定)
所有者等
岩国市
本文化的景観は、江戸時代の岩国城下町に由来するもので、錦川、城山、横山地区、岩国山、岩国地区から構成される。 岩国城下町は、藩主居館や諸役所、重臣の屋敷等が置かれる横山地区と、中下級の家臣屋敷や町人町等が置かれる岩国地区からなり、両地区を錦川が大きく隔てる。 これらの城下町には、護岸や水路、…
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旧吉川家岩国事務所

指定区分/種別
建造物(県指定有形文化財)
所有者等
岩国市
事務所、倉庫、便所の3棟からなる。事務所は、木造、寄棟造、2階建、桟瓦葺、床面積234.28㎡。倉庫は、木造、切妻造、2階建、桟瓦葺、床面積79.52㎡。便所は、木造、切妻造、平屋建、桟瓦葺、床面積14.30㎡(渡り廊下を含める)。 この建物は、昭和6年(1931)、吉川家岩国事務所として建設…
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色々威腹巻 付 負櫃

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
宗教法人 白山比咩神社
岩国六代藩主吉川経永(きっかわつねなが)が岩国明珍家の祖である甲冑師明珍又ヱ門宗性に命じて、寛保2年(1740)に製作させた、華美で豪華な甲冑である。 金属類には、繊細で見事な彫刻(浮彫・透彫・毛彫・魚々子)が多く用いられている。この他、漆、糸の染色、布帛といった素材についても上品なものである…
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鉄錆地百廿間筋兜鉢 銘 明珍宗家作

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
兜は、鉢高13.8㎝、前後径22.7㎝、左右径19㎝で、枚張は118枚である。 この筋兜は、薄い鉄板を縦に矧合せ、筋と筋との間の数が120間あって鉄鋲で平留にして形成している。表面は、錆地で腰巻を周らせた鉢で、眉庇や𩊱(しころ)など付属品はない。裏には、「明珍宗家作」と刻銘がある。作者である明…
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桐・九曜紋蒔絵挾箱 付 目録

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
大きさは横幅58.1㎝、奥行39.8㎝、高さは箱38.8㎝、蓋7.8㎝である。 挾箱は外出に際し、具足や着替用の衣服などを中に入れ、棒を通して従者にかつがせた箱で、江戸時代には定紋をつけて武家の格式を示した。 造りは印籠造りで、身に比べて蓋が浅く、垂直、水平線の組み合わせにより構成されて…
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紺糸素懸威黒板札菱縫二枚胴具足

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
宗教法人 吉香神社
江戸時代後期の作で製作者は岩国藩の甲冑師春田家第4代の春田正栄である。特色として、眉庇(まびさし)が微塵青貝に赫銅覆輪の出眉庇であること、前立が鍍金の鍬形及び丸ニ酢漿紋となっていること、吹返し、胴の胸板、胴のうしろの押付板にも丸ニ酢漿紋をつけていること、立挙、衡胴とも上重ねになっていることが看取でき…
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刀剣

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
個人
刀身の長さ69cm。反り2cm。銘文は、表に「防州岩国住国俊」、裏に「昭和三十五年五月日 於長野県坂城町宮入昭平内」とある。作者国俊は、現代刀工で鍛冶名を国俊と号した藤村松太郎(1887~1965)で、宮入昭平(長野県の刀工 1913~1977)は現代刀工で人間国宝。この刀は、宮入昭平の工房において…
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黒韋肩白紅威大袖

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
この大袖は、射向(いむけ)(左手)側の大袖だけで、馬手(めて)(右手)はない。上下の幅は39㎝と35㎝で、南北朝時代の作である。作りは黒漆塗の革小札と鉄小札を一枚ずつ交互に交えて、赤、白の糸を用いて段々に威(おど)している。 中世の甲冑に付属した大袖は南北朝時代から室町時代にかけて盛んに用いら…
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刀剣拵付

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
個人
刀身の長さ69.2㎝。反り1.5㎝。銘文は、表に「神武周防岩国藩青龍軒盛俊造之」、 裏に「文久(四)年甲子正月日」とある。文久4年(1864)に、青龍軒と称し岩国藩の刀工であった岩本清左衛門盛俊(1802-1867)作で、伯耆流居合道の始祖といわれる岩国藩片山家に伝えられてきたものである。また…
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紺糸寄素懸威百二十二間筋兜

指定区分/種別
工芸品(市指定有形文化財)
所有者等
個人
この兜は岩国藩家老職であった香川家に伝来するもので、高さ16.5cm、径は前後25.4cm、左右20.9cm。銘文には、「防州住藤原正晨作」とある。銘文にある防州住藤原正晨は春田正晨(はるたまさあき 1657-1738)のことである。正晨は通称を次郎三郎といい、奈良の甲冑師春田正信(はるたまさのぶ)…
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鷺神社神楽面

指定区分/種別
彫刻(市指定有形文化財)
所有者等
鷺神社
翁(おきな)面、抵牾(もどき)面、鬼(おに)面、姫(ひめ)面の四面で、いずれも鷺神社に江戸時代末期ごろ奉寄進された神楽面である。 作者は、岩国藩の作事組に属する工人で、出目上満(でめじょうまん 本名は福屋弥惣左衛門)といわれ、寛政12年(1800)の作が三面、弘化2年(1845)の作一面と伝え…
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武田軍陣立図屏風

指定区分/種別
絵画(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
紙本着色の合戦図。八曲半双(右隻)の屏風で縦171.2㎝、横(全長)568.5㎝。 軍学書『甲陽軍鑑』に基づいて、永禄4年(1561)に行われた川中島の合戦の様子を描いた八曲一双のうち、右隻部分の屏風である。17世紀代の作品としては岩国本と紀州本(和歌山県立博物館蔵)の2例のみで、歴史的にも美…
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川中島合戦図屏風

指定区分/種別
絵画(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
紙本着色の合戦図。八曲半双(左隻)の屏風で縦172.2㎝、横(全長)563.9㎝。 軍学書『甲陽軍鑑』に基づいて、永禄4年(1561)に行われた川中島の合戦の様子を描いた八曲一双のうち、左隻部分の屏風である。17世紀代の作品としては岩国本と紀州本(和歌山県立博物館蔵)の2例のみで、歴史的にも美術的…
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仙鳥館

指定区分/種別
建造物(市指定有形文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
仙鳥館(仙鳥御屋形)は、元禄11年(1698)、岩国藩5代藩主吉川広逵(きっかわひろみち)の住居として建設された。同年11月20日、2歳の広逵は母と共に完成した屋形に移居している。 以後、主として、藩主吉川家の子女を養育するとともに、その母親(夫人)が共に生活する建物として利用された。明和5年…
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昌明館付属屋及び門

指定区分/種別
建造物(市指有形文化財)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
昌明館は寛政5年(1793)に七代藩主吉川経倫(きっかわつねとも)の隠居所として建造され、経倫の死後は八代藩主経忠(つねただ)の夫人喬松院(きょうしょういん 柏原藩主織田信憑の次女悌 てい)が居住した。 明治に入ると一時、岩国県庁が置かれた。その後、吉川家の家職を司る用達所が設けられ、近代吉川…
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色々威腹巻

指定区分/種別
工芸品 (国指定重要文化財)
所有者等
公益財団法人 柏原美術館
胴の高さ27.8㎝、胴廻り91.5㎝、草摺(くさずり=胴の下にさがっていて、足の太股を守る部分)の長さ24.5㎝の大きさである。小札(こざね 甲冑の部位をつくる短冊状の板)は黒漆塗の革小札と鉄小札を一枚ずつ交互に交えて、赤、白、紫の三色を用いて段々に威している。威す(おどす)とは小札の穴に糸を通すこ…
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太刀 銘 為次(狐ヶ崎)付 黒漆太刀拵

指定区分/種別
工芸品(国宝)
所有者等
公益財団法人 吉川報效会
身の長さ78.5cm、反り3.4cmの太刀である。刀身の地肌は小板目肌で、刃文は小乱に足・葉入りの一見、古備前風の太刀であるが、鎌倉初期の備中青江の作である。とくに、この太刀が国宝に指定された理由は、刀身が少しも磨滅せず、打ちおろしのように平肉豊かで、しかも、当初の革着せ黒漆太刀拵が付属していること…
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