岩国城御土居跡

御土居は岩国に入府した吉川家の居館跡で、発掘調査では近世の礎石建物跡、門跡などが確認されている。また、その下層には中世の永興寺に関係する礎石建物が見つかっている。

岩国城跡

岩国に入府した吉川広家によって城山の山頂部に築かれた城である。慶長13年(1608)に完成し、慶長20年(1615)の一国一城令によって破却され廃城となった。

天守台の発掘調査が平成6年(1994)に行われ、天守台には礎石が確認されている。また周囲では大量の瓦が出土している。瓦は、岩国在地産のものが少なく、福岡からの搬入瓦が目立つようである。このほか城の破却の際の状況が、特徴的で良好に残されており、この点についても注目される。

横山遺跡

令和2年、3年度(2020、21)に試掘調査が行われた。近代の学校等により近世以前の遺構は削平を受けていたが、中世土師器、近世陶磁、瓦などが見つかっている。また、中世の段階では錦川の氾濫原であったと考えられており、洲状の砂層堆積を確認した。

近世期に、吉川広家によって氾濫原であった当遺跡を城下町建設時に堤防の築堤と並行して造成を行ったとみられる。

岩国一丁目遺跡

令和4年(2022)度の試掘調査により、岩国城下町の整地層が確認され、近世陶磁器や瓦が出土している。

江臨寺谷横穴

宅地造成により発見され、土師器、須恵器、鉄製品、人骨が見つかっている。人骨は改葬されている。時期は出土遺物から6世紀後半とみられる。