木造十一面観音菩薩立像

市33木造十一面観音菩薩立像
種別(指定区分)
彫刻(市指定有形文化財)
員数
一躯
指定年月日
昭和50年(1975)7月9日
所有者等
宗教法人 長宝寺
所在地
岩国市周東町祖生1732

長宝寺境内にある観音堂の本尊である。徳治2年(1307)に造建した厨子があったが、損壊したので明暦元年(1653)に現在の厨子を再建した。像高79.5cmで、台座を含めての総高は98.7cmである。
像容は髻頂に仏面(欠失)、天冠台上に一列に十一面(二面欠失)をのせる。天冠台下前面の地髪(じはつ)はマバラ彫り(細部を省略して大まかに刻む彫り方)となっている。低目の垂髻、豊かで円満な相好、特に横に切れ長な眼、小鼻の張った高めの鼻、めくれるような口辺部の彫法、彫りの浅い流麗な衣文線など、いずれも平安時代の特徴をよく示している。

ヒノキ材の三重の蓮華座、同じくヒノキ材の舟光背(いわゆる板光背)も当初のものをよく遺しており貴重である。