木造三十三体観音像

市32-2 木造三十三体観音像
市32-1木造三十三体観音像
種別(指定区分)
彫刻(市指定有形文化財)
員数
一躯
指定年月日
昭和59年(1984)12月10日
所有者等
渋谷地区
所在地
岩国市錦町渋谷

観音菩薩が世の中の人々を救済するために、様々な姿、形を変えて現れると『法華経』(ほっけきょう)の中にある「観世音菩薩普門品」(かんぜおんぼさつふもんひん)で説かれている。そしてその姿は、楊柳(ようりゅう)、龍頭(りゅうず)、持経(じきょう)、円光(えんこう)、遊戯(ゆげ)、白衣(びゃくえ)、蓮臥(れんが)、滝見(たきみ)、施薬(せやく)、魚籃(ぎょらん)、徳王(とくおう)、水月(すいげつ)、一葉(いちよう)、青頸(しょうきょう)、威徳(いとく)、延命(えんめい)、衆宝(しゅほう)、岩戸(いわと)、能静(のうじょう)、阿耨(あのく)、阿摩提 (あまだい)、葉衣(ようえ)、瑠璃(るり)、多羅尊(たらそん)、蛤蜊(こうり)、六時(ろくじ)、普悲(ふひ)、馬郎婦(めろうふ)、合掌(がっしょう)、一如(いちにょ)、不二(ふに)、持蓮(じれん)、灑水(しゃすい)の三十三様である。

厨子にはこれら三十三の姿に変化した観音像が精巧緻密な造りで納められている。そして、厨子の寸法は縦71㎝、横42㎝である。製作年代は不明であるが作風から江戸時代初期の作とされている。