山代白羽神楽

県32山代白羽神楽
種別(指定区分)
無形民俗文化財(県指定)
指定年月日
昭和43年(1968)4月5日
所有者等
山代白羽神楽保存会
所在地
岩国市美和町北中山二ツ野

山代神楽は、岩国市北部の山代地方に古くから伝わる神楽の総称である。

山代白羽神楽は、二ツ野地区(岩国市美和町)で古くから伝承されたもので、主に集落の中心にある白羽神社の秋の祭典(毎年11月2日)などで奉納されてきた。

創始の時期について正確なことは明らかになってはいないが、寛政6年(1794)の善秀寺年代記(ぜんしゅうじねんだいき)や、安政5年(1858)3月に行われた生見八幡宮御鎮座千年祭の記録から、江戸時代中期にはすでに舞われていたと記されている。また、江戸時代に相次いだ飢饉や疫病の流行に悩まされた農民が、五穀豊穣と悪疫退散の祈願をこめた神事として始めたものである、とも伝えられている。

山代白羽神楽は、12演目で構成されていた神事舞であったと伝えられている。しかし、天保10年(1839)白羽神社社殿改築の際の落成興行に招いた芸州佐伯郡明石村(現在の広島県廿日市市)の神楽から鑑賞的な舞を取り入れ24演目に改められ、その後、大正時代に大江山(おおえやま)という演目が追加されるなどの変遷を経て、現在では主に禊神楽(みそぎかぐら)、一人神楽(ひとりかぐら)、湯立神楽(ゆたてかぐら)、猿田彦(さるたひこ)、諸神(しょしん)、恵比寿(えびす)、小太刀(こだち)、芝鬼人(しばきじん)、三鬼(さんき)、天の岩戸(あまのいわと)、大江山(おおえやま)、八岐乃遠呂智(やまたのおろち)、天大将軍(てんだいしょうぐん)の13演目が舞われている。