鼓面径18.6cmの小型の鰐口である。表面銘帯の左右に次のような銘文を陰刻している。左側「奉施入鰐口一口」、右側「応永二十五年正月八日施主安信敬白」と読まれる。「奉施入」とだけで、どこに施入されたか不明である。施主安信としては特に施入先を記入するまでもなく、身近なことなのでその必要を認めなかったのかも知れない。伝来によれば、祖生の光明寺に懸けられていたものという。防長の鰐口には撞座文のないものが多い中で、片面だけでもこれを持っていることが注目される。 また、蓮華文も小型であるが、形式化されない時代相応のよさを持っている。表面左右の目から銘帯にかけて小亀裂があるほかは、保存も概して良好である。
制作年代は銘文にある応永25年(1418)で、貴重な資料である。
鼓面径18.6cmの小型の鰐口である。表面銘帯の左右に次のような銘文を陰刻している。左側「奉施入鰐口一口」、右側「応永二十五年正月八日施主安信敬白」と読まれる。「奉施入」とだけで、どこに施入されたか不明である。施主安信としては特に施入先を記入するまでもなく、身近なことなのでその必要を認めなかったのかも知れない。伝来によれば、祖生の光明寺に懸けられていたものという。防長の鰐口には撞座文のないものが多い中で、片面だけでもこれを持っていることが注目される。
また、蓮華文も小型であるが、形式化されない時代相応のよさを持っている。表面左右の目から銘帯にかけて小亀裂があるほかは、保存も概して良好である。
制作年代は銘文にある応永25年(1418)で、貴重な資料である。