錦帯橋架替図

市75錦帯橋架替図面
種別(指定区分)
歴史資料(市指定有形文化財)
員数
十三枚
指定年月日
平成17年(2005)12月22日
所有者等
岩国市
所在地
岩国市横山二丁目7-19

江戸時代に作成された錦帯橋の図面である。図面は和紙を貼り継いで必要な大きさをとり、裏打をして補強した紙に箆(へら)で痕をつけ、墨を入れる方法で描かれている。紙面は小さく折り畳まれている。1橋1枚が原則であったと思われるので、架替えた橋の数だけ絵図も作られたと思われるが、残存絵図は反橋のみで13枚である。13枚すべて10分の1の縮尺で描かれており、担当責任者の棟梁が描いたものと思われる。製作年代は元禄12年(1699)から文政11年(1828)の間である。

錦帯橋は、数百年間、同じ技術で架け続けられてきた歴史をもち、また、特殊な構造の木造橋は世界的にも希有である。橋の創建・維持・管理に岩国藩が全面的に関わってきた歴史がそうした状況を作りだした背景となっているが、この資料の存在が錦帯橋そのものの文化財的価値を非常に高めているといえる。架替ごとに作られる絵図面そのものが技術の伝承の役割も果たしており、長い間、架け伝えられてきた技術の証明であり、貴重でもある。