紙本着色椎尾八幡宮縁起(文明十五年書写)  付 紙本着色椎尾八幡宮縁起(貞享四年書写)

市13-2紙本着色椎尾八幡宮縁起
市13-1紙本着色椎尾八幡宮縁起
種別(指定区分)
絵画(市指定有形文化財)
員数
二巻
指定年月日
昭和58年(1983)11月12日
所有者等
宗教法人 椎尾八幡宮
所在地
岩国市角65

巻子仕立て。上下2巻からなる。

椎尾八幡宮は平家の家人であった岩国氏一族に関係する神社とみられ、暦応3年(1340)や永享11年(1439)の棟札には岩国氏一族の名がみられる。

縁起は文明15年(1483)に描かれて、八幡宮に奉納されたものであり、縁起の奥書(奥付)には、八幡宮が所在する河内郷の豪族とみられる行宗次郎右衛門尉(ゆきむねじろうえもんい)が願主となり、祖生郷の渡辺左近将監毘(わたなべさこんしょうげんび)に絵を描かせ、小周防白石の神代部了重(こうじろべりょうじゅう)には詞書をもらい奉納したと書かれている。このように願主、絵師、筆者の名前や時期が明らかになっているものは貴重である。

また、付の貞享4年(1687)の縁起は、文明15年のものを書写したもので、こちらも江戸時代の八幡縁起の書写の状況がわかる資料として重要である。