木造当国三十三番観音順礼手引

市54木造当国三十三番観音順礼手引
種別(指定区分)
工芸品(市指定有形文化財)
員数
40面
指定年月日
昭和50年(1975)12月10日
所有者等
宗教法人 極楽寺
所在地
岩国市周東町用田866

由来ならびに序が2面、本文36面、後書1面、及び未使用の原板一面、合計四十面が伝存している。材は、いずれもサクラ材と思われる。
大きさは版木によって若干の差異はあるが、おおよそ縦11.6cm、横33.4cm、厚さ1.2cm程度である。板面の文字はかなり角がとれているので、相当数の版行があったものと思われる。しかし、今なお文字は明瞭で、小虫喰いのため若干の欠字箇所があるが、保存は概して良好である。手引の版行は江戸時代の札所巡拝の盛行を物語るものであり、このような案内書は順拝者の要望に応えるものでもあった。同時にこの手引書は周防国における三十三観音の信仰資料としても重要である。いま版木が完全な形で揃って極楽寺に伝存したことは貴重である。