下の神楽

市83下の神楽
種別(指定区分)
無形民俗文化財(市指定文化財)
指定年月日
昭和48年(1973)10月23日
所有者等
下の神楽保存会
所在地
岩国市下

毎年4月初旬、下の集落内である愛宕神社の境内で奉納されるこの神楽は、室町時代以降に畿内で発生し、西進して伝えられたという、錦川対岸の「岩国行波の神舞」と同系統で、これを伝えた社家(三上家)には、慶長11年(1606)の記録が現存する。

同家の記録によれば、明治3年(1870)9月の年限神楽は社家によって奉納されているが、明治7年11月には里神楽として奉納されている。

以来この神楽は、明治、大正を経て昭和28年11月まで舞われて来たが、戦争や災害等により一時中断、昭和55年4月再興された。

荘厳(そうごん)・六色幸文祭(ろくしきこうぶんさい)・諸神勧請(しょしんかんじょう)・注連灑水(ちゅうれんしゃすい)・三宝鬼人(さんぽうきじん)・荒霊豊鎮(こうれいぶちん)・弓箭将軍(きゅうせんしょうぐん)・眞榊対応内外(まさかきたいおうないがい)・日本記(にほんぎ)・愛宕八幡(あたごはちまん)・五龍地鎮(ごりゅうじちん)・天津岩座(あまついわざ)の12座の他、湯立(ゆだて)・火鎮(ひしずめ)が行われる。

古式をよく伝え、信仰・芸能史上貴重である。