顔貌が円形で、目鼻立ちの造作が大きく、面奥が深い。素朴な彫法であるが、力強く、その制作年代は鎌倉時代を下らぬものと見られる。 特に躰部・岩座共にノミ痕が歴然と残っていること、そして、背面の裾を彫出せずそのまま岩座に接続する仕方は、仕上げ前の小作の段階でノミを置いていることと考え合わせ、立木仏の可能性を示唆するものがあり注目に値する。
顔貌が円形で、目鼻立ちの造作が大きく、面奥が深い。素朴な彫法であるが、力強く、その制作年代は鎌倉時代を下らぬものと見られる。
特に躰部・岩座共にノミ痕が歴然と残っていること、そして、背面の裾を彫出せずそのまま岩座に接続する仕方は、仕上げ前の小作の段階でノミを置いていることと考え合わせ、立木仏の可能性を示唆するものがあり注目に値する。