由来ならびに序が2面、本文36面、後書1面、及び未使用の原板一面、合計四十面が伝存している。材は、いずれもサクラ材と思われる。 大きさは版木によって若干の差異はあるが、おおよそ縦11.6cm、横33.4cm、厚さ1.2cm程度である。板面の文字はかなり角がとれているので、相当数の版行があったものと思われる。しかし、今なお文字は明瞭で、小虫喰いのため若干の欠字箇所があるが、保存は概して良好である。手引の版行は江戸時代の札所巡拝の盛行を物語るものであり、このような案内書は順拝者の要望に応えるものでもあった。同時にこの手引書は周防国における三十三観音の信仰資料としても重要である。いま版木が完全な形で揃って極楽寺に伝存したことは貴重である。
由来ならびに序が2面、本文36面、後書1面、及び未使用の原板一面、合計四十面が伝存している。材は、いずれもサクラ材と思われる。
大きさは版木によって若干の差異はあるが、おおよそ縦11.6cm、横33.4cm、厚さ1.2cm程度である。板面の文字はかなり角がとれているので、相当数の版行があったものと思われる。しかし、今なお文字は明瞭で、小虫喰いのため若干の欠字箇所があるが、保存は概して良好である。手引の版行は江戸時代の札所巡拝の盛行を物語るものであり、このような案内書は順拝者の要望に応えるものでもあった。同時にこの手引書は周防国における三十三観音の信仰資料としても重要である。いま版木が完全な形で揃って極楽寺に伝存したことは貴重である。